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1年に1回、群馬の作曲家・丸山亜季先生をお迎えして開かれる講座に、今年は300人近い保育士、教師の皆さんが集まりました。保育や教育をめぐる環境がますます大変にはっている昨今、これだけの方々が自主的に講座に参加し、子どもたちを育てるリズム表現と歌を学びました。丸山先生のピアノで体を動かし歌うことで、皆さん自身が身も心も解放され、度々歓声があがります。また丸山先生のお話しは、皆さんの心をとらえ、勉強することの楽しさと意欲をかきたてられる一日となりました。
丸山先生のお話の抜粋:
いま、学校も保育園もとっても大変です。私は北海道から沖縄まで全国に行っていますが、統廃合、民間委託、助成金が出ないなど、ありとあらゆることで大変なことだらけです。でも、その中で一番生き生きとしているのは保育士なんです。それは理屈ではなく、生き生きとした研修を日本中のあちこちで培っているからでしょう。たとえば歌を覚える、リズムをやるということが、自分の喜びに結びついているからだと思います。
人は、子どもと大人、子ども同士や動物や植物との関わりの中で様々なことを学んで賢くなっていく。だけど、ここ5年、10年の子どもたちは、生産的なものではなく、消費文化の海の中で暮らしている。お母さんが作ってくれる食べ物ではなく、コンビニで買ってきたものしか食べられない子も多い。アスファルトやビルの谷間での生活で土を知らない子もいる。指先を使わずにボタンを押せば何とかなる生活の中で自分で物を作り出すことをしない。生身の人間同士がぶつかりあって、泣いたり、仲直りしたりという関係をまったく知らずに育つ。
本物の文化を教えてあげられるのが大人の役割です。それを一番ちゃんとできるのが保育園でしょう。子どもたちは朝から夕方まで長い時間を保育園で暮らします。ですから人間の子どもとして育てていく。その子どものために何をするかを一番芯に置いて、その子ども達がまともに健康に、健やかな感覚と体をもって卒園していけるようにしなければならない。だから保育園の統合や子どもたちが路頭に迷うような社会問題とは闘っていかなきゃいけないと思います。これから歴史を歩んでいく子どものために全てを考えていかなきゃならない。その中で今日は音楽と体を使って表現していくことをやっていますが、あらゆる面で保育をする人が学んでいかなくてはならない。
自分が勉強して「あっ、これはすごい」、「いまこれだ」と思えるものを子どもの育ちの中で見つけていく。そういう感覚をもっていなければいけない。子どもの育ちは早いから、放っていけばとおり過ぎる。今やらなくてはならないこと、それは歌だけではなく、遊びもそう。決められたことを教科書どおりにやるのではなく、卒業までにどうしても子どもに渡したいものがいっぱいあって、その中から選んでいく。そういう保育の暮らしの日々なら子どもも豊かになっていく。感覚も鋭くなるし、心の豊かさがほんとうに育っていく。
音楽で言えば、流行ではなく、バッハやモーツァルトなど百年も二百年もたっても生き生きと歌われる。これは本物。流行は消えていきます。いまの子ども達を生き生きと育てていく教材、それが本物です。ほんとうに素晴らしいものは何だろうと、理屈ではなく、感覚の一番もとになるものを育てていく。それが人間的に豊かに育てていくことになるのです。
そういう基本的な願いがあるから日本中の保母さんたちの研究会が生き生きとしている。こういうものがあれば、日本の保育や教育はまだ捨てたものではない、自力があるんだということを感じます。勉強って、いやなことはやりたくない。学びたいから学ぶ。そういう学びを私たちはこれからも続けていきましょう。

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